日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

間違いだらけ!?の「高齢者イメージ」(2015/9/22)

統計からみた我が国の高齢者(65 歳以上)

9月21日は「敬老の日」。高齢化社会という言葉が使われて久しいが、今年は団塊世代最後の生れ(1949年生まれ)の人が満65歳(老人)に仲間入りしたという意味では、特別な年になる。

そこで今日は、特別に総務省がまとめた「統計からみた我が国の高齢者(65 歳以上)」資料のなかから、「家計調査」に関係する部分について書いてみたい。

http://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topics90.pdf

↑ 総務省「統計からみた我が国の高齢者(65 歳以上)」

 

冒頭では高齢者の人口(人口推計 平成27年9月15日現在)

○高齢者(65歳以上)人口は3384万人、総人口に占める割合は26.7%

 年齢3区分別人口(0~14歳、15~64歳、65歳~)でみると、少子化で子どもの数(0~14歳)が減少、高齢化で老人の数(65歳~)が増加、結果働き手の数「生産年齢人口(15歳~64歳)」の減少に歯止めがかからない状態

○80歳以上の高齢者人口が初めて1000万人超え

 日本人の平均寿命は男性が約80歳、女性は約87歳 しかしながら「健康寿命※注」はというと男性が約71歳、女性は約74歳とおおよそ10年ぐらい短い

 ※健康寿命とは、健康上の問題がなく、普通に日常生活をおくれる状態、つまり介護など他人の助けを必要としない年齢

 

◇家計調査に見る高齢者(世帯)の特徴

(65歳以上の高齢者)無職世帯と(65歳未満)勤労者世帯の「消費支出の内訳及び構成比」の比較データより

1. 交際費、保健医療への支出割合が高い

「保健医療」が1.39倍、「光熱・水道」の1.16倍、「食料」及び「家具・家事用品」の1.11倍の順で高く、病院代や薬代への出費が多いのが特徴

その他「交際費」が1.36倍と高く、子や孫の世帯など世帯外への贈与が多い

ちなみに、65歳未満の勤労者世帯では、「教育」が1.58倍、「交通・通信」が1.17倍などへの出費が多い

2. 健康に気を配り、旅行などの趣味を楽しむ

http://www.flickr.com/photos/28145073@N08/5825413134

photo by Moyan_Brenn

「パック旅行費」 の支出金額が最も多いのは、世帯主の年齢が60歳代世帯、次いで70歳以上世帯と、高齢者の旅行好きはデータでも裏付けられる。60歳代世帯は30歳未満世帯の3.2倍のお金を「旅行代」に使っているということ

3.「園芸品・同用品」は最も多いのが70歳以上世帯で、次いで60歳代世帯、「スポー ツクラブ使用料」は60歳代、「健康保持用摂取品」は70歳以上の世帯で最も多い 

健康管理に気を配りながら、ガーデニング などの趣味を楽しむ高齢者の姿が見てとれる

4. 高齢者世帯のネットショッピングの利用状況

1カ月平均のネットショッピングへの支出額は平成26年で3,264円、12年前(14年/659円)の5倍に増加 ちなみに、ネットショッピングで購入するものは、医薬品・健康食品への支出割合が高い

5.高齢者世帯の3割が電子マネーを利用

電子マネーを利用した世帯割合は、平成26年で29.4%となり、6年前(20年/11.9%)から2.5倍に上昇。若年層での利用が多いと思われがちな電子マネーもネットショッピング同様、高齢者にも利用が進んでいる

6. スマートフォンの普及率は高い

携帯電話及びスマートフォンの普及率をみると、携帯電話は世帯主が65歳未満の世帯 よりも高い(+21.3ポイント)一方、スマートフォンは世帯主が65歳未満の世帯より も低い(-51.4ポイント)。ただしスマートフォンは高齢者世帯全体の4分の1程度(25.6%)に普及している

 

http://www.flickr.com/photos/62586117@N05/15374689615

photo by Neil. Moralee

本日のまとめ

家計調査は、高齢者の実態が大きく変わっていることを教えてくれている。しかしちょっと手元に流通のチラシがあれば見て欲しい。旧態依然の、お年寄りイメージのビジュアルや商品が多いことに驚いてしまう。今日のGMS凋落と重なって見えるのは私だけか?

余談ながら、老後豊かな人生を送るための資金がこれだけ要るのだと…

老後の必要資金3187万円 京都中信調査、4年ぶり増 : 京都新聞