今年のコンビニおでん(2015/9/7)
今年も例年通り、お盆が明けた頃からコンビニのレジ横におでんコーナーが出来ていた。各社では、レジ前に「おでん」コーナーが出来たが、例年と少し事情が異なる。
今年はセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社がいずれも、「地域対応」をコンセプトにした戦略を打出してきている。
【関東・沖縄】 基本つゆ 焼津産かつお節、北海道産昆布 |
+【北海道・東北】煮干し |
+【中部】むろあじ節 | |
+【近畿】牛、鶏 | |
+【中四国】牛、鶏、煮干し | |
+【九州】牛、鶏、あごだし |
ちなみに昨年(2014年)の3社を見てみると、3社いずれも“だし”に言及しているものの、地域対応は打ち出していない。
○ セブンイレブン2014
追い鰹で使用する薄削り節と昆布だしを増量 “つゆ”と“具材”にこだわりました! ~ 煮込んで美味しい野菜メニューが続々登場~
〇ファミリーマート2014
「つゆだくおでん」 さらに美味しく、お買い求め安く
~今年のポイントは4つ!“定番商品のリニューアル”から“価格設定”まで~今年も例年通り
○ ローソン2014
「つゆ」のこだわり
・「追いがつお製法」により広がる焼津産かつお節の“旨味”
・ひと手間かけた「仕上げ鰹」で“風味”と“香り”をプラス
コンビニの地域対応は、セブン&アイホールディングスの鈴木会長の年頭あいさつ「今年はチェーンストアのあり方を全面的に見直す」という言葉から始まったと言っても過言ではない
http://www.itoyokado.co.jp/dbps_data/_material_/localhost/pdf/2014/20150105.pdf
↑ 7&I CEO鈴木敏文 2015年年頭ごあいさつ
量販店にせよ、コンビニエンスストアにせよ、チェーン展開する業種業態では、
全国一律の商品政策が基本であり、商品も価格(一部差替えはある)も店舗や地域で大きな差はなかった。いわゆる商品さえあれば売れるという高度成長期には、「大量仕入れ→大量販売」という“マスメリット”のビジネスモデルがあたりまえであった。
買い手(消費者がお店や企業を選ぶ時代)に変わったにも関わらず、恐竜ばりに図体ばかり大きい売り手のほうは、残念ながら、相変らず買い手に近づく努力が見られない状態。そんな中セブンイレブンでは、関西で苦戦していることに着眼し、早くから出汁や弁当や惣菜での地域対応を試みてきており、今年この取組みを全国に水平展開しようというもの。
おでんに関してもこの流れに沿ったもので、セブンについては特に驚くことはない。しかしファミマやローソンも同じような戦略を取ってきたことには驚く。
本日のまとめ
セブンは、先駆者として大きなリスクを抱えながら商品開発。ファミマ、ローソンの事情はわからないが、時間、人などセブンほど大きな費用は投じていないのでは…?
セブンには、風の抵抗を受けるリスクがありながら、先頭を走り続けるマラソンランナーのプライドを感じる。