日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

クリスマスケーキ予約カタログにモノ申す!!!(2016/12/9)

クリスマスまであと2週間。今年は週末クリスマスで、ホームパーティーは昨年よりも盛り上がるというのが、おおかたの観測。予約期限が近づくにつれ、商戦は最後の盛り上げに入る。

という訳で、本日は【クリスマスケーキ予約カタログにモノ申す】と題して、昨今のカタログの在り方に注文をつける。

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◇クリスマスケーキ商戦の変遷

毎年クリスマス時期になると、JRや大手私鉄主要駅前には必ずある「タカラブネ」と「お菓子のコトブキ」「不二家」などケーキ屋さんが、店頭にデコレーションケーキを山積みにして売っていた時代はもう20年以上前のことか… 

タカラブネもお菓子のコトブキも、会社が買収されたりして、自身の知る限り店舗は残っていない。株式会社スイートガーデン

余談になるが、洋菓子チェーンはいずれもフランチャイズチェーン化によって急速に店舗拡大した。当時日本ではまだフランチャイズチェーンには馴染みが薄く、なかなか成功してこなかった。

かろうじて残っているのが不二家。

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話を戻すと、20~30年ぐらい前までは、クリスマスイヴになると、お母さんが買うか、仕事帰りのお父さんが買って帰るというのが、ごくごく普通の光景。ふまりに売れすぎて品切れすることも… それほどクリスマスケーキは家族のホームパーティーになくてはならない存在であった。

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〇イマドキのクリスマスって? ~20-30年前の状況との違い~

① ケーキ購入場所の多様化

ケーキ専門店に代って、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、パン屋さん…クリスマスケーキを買える店がグンと増えた。その影響もあって、今の時代ケーキを選ばなければ、品切れして買えないなんてことは絶対にない。

 ② 家族構成の変化

少子化、核家族化の影響から、日本は人口減&世帯数増になりつつある。サザエさん一家のように、3世代家族が一堂に会してクリスマスパーティー…というのも幻想。 

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ほかにも書ききれないぐらいたくさん変化してきたが、また別の機会にでも書く。

何故上記のように時代の変遷を書いたかというと、変化する買い手に売り手側が追い付いていないのでは? という疑問から。

 

◇イマドキのクリスマスケーキ予約商戦への疑問

① クリスマスケーキのターゲットは誰?

最近のケーキカタログのページ構成は、だいたいがパティシェケーキ、中にはリキュールを使ったケーキもあるが、どんなお客様が買い、どんなシチュエーションでケーキを食べることを想定しているのか?

② クリスマスケーキって大きすぎない?

4号(直径12cm)~5号(同15cm)辺りが中心サイズと思われるが、クリスマスばーてティーといえば、ケーキのほかにオードブルやメインディッシュがあるはず、ケーキで満腹になってしまっては台無し。となれば3号(同9cm)ぐらいのホールケーキの1ピースかショートケーキで十分では?

③ そもそも予約って必要?

クリスマスケーキは、予約しなければ品切れして買うことが出来ない…なんて時代じゃない。確かに人気パティシェケーキやテレビアニメキャラクターのケーキなどは早く予約しなければならない事情があることには、一定程度理解できる。しかし各社のオリジナルデコケーキなどをわざわざ予約する人はいるのだろうか。そんな顧客に対して「早期割引」や「プレミアム」が予約の動機づけになるのだろうか?

 

 

 

本日のまとめ

企業ごとに書いた、クリスマスケーキ予約カタログについては、過去のブログをみてほしいが、改めて見ると実に問題の多い?カタログが多いことに気がつく。

ケーキではないが、イトーヨーカドーのクリスマスオードブルや酒のページには、例えば「83,000円もする生ハム(スペイン産原木・ホルダーセット」、「2万円近いワイン、ドンペリ」、他にも「キャビア(1万円)」「黒毛和牛サーロインローストビーフ(2万円)」など、軽く1万円を超える商品がズラリ。誰(どんな客層)を狙っているのかなあ-と小首をかしげたくなるカタログに見えるのだが… 

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時代の変化に敏感な対応をみせていると思われる代表が【伊勢丹】

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表紙ケーキは4号サイズ(直径12cm)。
メインターゲットをシニア2人世帯と考えたのか… はたまたケーキがド~ンとテーブル中央に鎮座する古典的なクリスマスパーティーから、オードブルを含めたクリスマスパーティーでケーキもメニューの一つという考えか…
いずれにせよ、時代の変化に敏感に反応するのは流石。

 

 

 

 

お知らせ

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