・4月度は、4月21日に名古屋店がメンズ売場を改装グランドオープンさせた効果により、紳士服飾雑貨が堅調に推移したほか、化粧品も好調に売上を伸ばした。
・前年訪日外国人売上が大きく伸びたことの反動により宝飾品やラグジュアリーブランドが苦戦したこと、心斎橋店本館建替えによる面積減や、名古屋店の改装工事によるマイナス影響も加わり減少した。
・東京店は3.1%増で、13か月連続で対前年プラスとなった。
〇高島屋/4月の店頭売上0.8%減
・高島屋が発表した4月の店頭売上速報によると、高島屋単体(13店)の売上高は前年同月比0.9%減、国内百貨店子会社を含む17店の売上高は0.8%減となった。
・4月度の店頭売上は、衣料品が低迷した影響が大きく、実績に届かなかった。
・インバウンド需要は好調を維持し、前年比10%増の伸びとなり、単月での販売額が過去最大となった。
〇そごう・西武/4月の売上3.3%減
・そごう・西武が発表した4月度売上高前比速報によると、そごう・西武全23店合計の売上高は3.3%減となった。西武池袋本店は1.6%減だった。
・食品や化粧品といった必要購買型の商品が堅調に推移しが、春物衣料や住居は購入が見送られた。
・高額品である宝飾、時計、美術は商談はあるものの決定が減少した。
〇松屋/4月の売上高7.0%減
・松屋が発表した4月売上速報によると、銀座店と浅草店の合計売上高は前年同月比7.0%減となった。
・銀座店は、婦人衣料部門のキャリア層でパンツ等のボトムスが好調に売上高を伸ばしたが、他のアイテムが伸び悩み、 婦人・紳士衣料の動きは全体的に鈍い結果となった。
・免税売上高は、化粧品などの消耗品が引き続き好調に推移しているが、前年の大きなインバウンド売上高と対比すると、、一般品を含めやや落ち着いた動向となった。
〇阪急阪神百貨店/4月の売上高は全社0.6%増
・エイチ・ツー・オー・リテイリングが発表した4月度売上速報によると、阪急阪神百貨店の全社計売上高は前年同期比0.6%増となった。
・内訳は、阪急本店2.6%増、阪神本店0.8%減、支店計1.7%減だった。
本日のまとめ
2016/5/7付の日本経済新聞朝刊に「訪日客関連株が軟調 円高重荷、客単価も下落」という気になる記事を見つけた。
・訪日外国人消費の恩恵を受けるとされる関連株が軟調だ。6日はセイコーホールディングスや三越伊勢丹ホールディングス、高島屋などが相次ぎ年初来安値を更新した。円高進行や中国の関税引き上げなどが重荷となり、インバウンド消費への期待が後退しつつある。三越伊勢丹は一時、前営業日比4%安まで売られた。J・フロントリテイリング、高島屋と並び、2013年3月以来の安値を付けた。
・ほかにも訪日客らのまとめ買いの対象になる冷却剤「熱さまシート」を販売する小林製薬が年初来安値を付けたほか、ラオックスが4%安、ドンキホーテホールディングスも2%安となるなど関連銘柄が軒並み下げた。
・きっかけは、大手百貨店5社が2日発表した4月の既存店売上高の内容だ。うち4社が減収で、訪日客の単価下落などが響いた。観光庁によると1~3月の訪日客1人あたりの旅行消費額は前年同期比マイナスに転じており、中国などインバウンド消費減速への懸念が広がる。
・円高進行も重荷だ。第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは「中国人観光客の伸び率と為替の相関性は強い」と話す。中国が海外で買った商品を中国内に持ち込む際に課す関税を引き上げたことも影響したようだ。
はたして、そうなのか? はたまた一過性のことなのか?