お歳暮カタログ検証①「量販店編」(2015/11/3)
10月中旬から、クリスマスケーキやおせちの予約、お歳暮商戦のアツい戦いが始まった。百貨店もギフトセンター開設で一気に本格商戦に突入した。
関西でお歳暮商戦スタート 詰め合わせの充実競う : 京都新聞
今回は【お歳暮】について業界別に書く、初回は【量販店のお歳暮】カタログ
お歳暮の今昔
◇そもそもお歳暮って?
歳暮とは、一年最後の月である12月の季語であり、「年(歳)の暮れ」のこと。日本では古くから、お世話になった方に、一年の感謝を伝える贈り物の習慣があり、これを「お歳暮」と呼んだ。
本来は風呂敷などに包んだ贈り物を、直接先様のお宅に訪問したものだが、昨今は百貨店やスーパーから直送するケースが一般的である。
◇お歳暮にはなにを贈るの?
冬の贈答品は、新巻鮭や数の子、日本酒など、新年を迎える際に必要なものが、選ばれる傾向にあったが、最近は夏と同様にビールやハムが人気のよう。新巻鮭を一本もらっても調理に困るなどの理由から敬遠される傾向にある。また、商品という“モノ”ではなく、旅やカルチャー体験ギフトなど“コト”を贈る人も出てきている。
◇お歳暮って誰に贈るの?
かつては「仲人」「上司」「取引先」「両親・親戚」「習い事の先生」が贈り先の上位であったが、最近は様子が変わってきた。
仲人を立てる結婚式は今や1割程度、気さくなパーティ形式の結婚式が大半。さらに生涯非婚率がどんどん上昇し、贈る相手の仲人さんが減少。終身雇用制度の崩壊、団塊世代のリタイアなど、会社の人間関係が大きく変わるのに伴い、上司との関係も淡泊になり、贈ることが不自然になった。などなど贈るべき相手が少なくなった。
代って、売り手側は「友人へのカジュアルギフト」「自分へのご褒美ギフト」などの提案で、しのごうとするが、儀礼ギフトに比べれば規模は小さい。
このほか、法人ギフトと呼ばれる取引先への贈り物も、コンプライアンス等への配慮から、贈答
の廃止を宣言するところや、個人情報保護法案以降、相手先の住所を知る手段がなくなったことも、ギフト縮小の大きな要因。
2014年のお歳暮に関するアンケート|マーシュのミニリサーチ
◇2015年お歳暮カタログ表紙【スーパー】
2015 お歳暮(近畿) 冬ギフト
郷土のこころに、あたたかさを添えて うれしいをさがそう イオンの冬ギフト
本体176ページに別冊(おうちのギフト)24ページ、全200ページの超大カタログ
特徴は大きく二つ
① 全国を7つの地域に区切った地域別カタログ “じもののギフト”差替え
② うれしいをさがそう 日本心発見
全体を通して、最近のブーム《ニッポン》を打出している
イトーヨーカドー 冬ギフト
<匠の逸品> 伝統と技が、魅せる味
本体104ページに別冊(関西わが街味自慢他)20ページ、全124ページのカタログ
特徴は大きく二つ
① 表紙素材に「数の子」と「ハム」を起用し、ベーシックなお歳暮カタログ
② 家族の人数に応じて個数が選択できる「まごころサイズの贈りもの」の拡充
全体を通して、お歳暮ギフトの原点回帰を基本にしながら、昨今の家族事情を意識したカタログ構成
アピタ 2015お歳暮 冬の贈りもの
あなたも買える! マンガ「おとりよせ王子 飯田好実」のあの逸品❤
はなれていても、いっしょの笑顔。
本体92ページに別冊(超特価50選他)10ページ、全102ページのカタログ
特徴は大きく二つ
① マンガの主人公のお奨めギフト紹介を通じて、新しい客層へのアプローチ
② 「暮らすWith日本製」で日本製(産)の美味しさを味わう提案
全体的には、お中元路線の継承発展形になっているが、他のスーパーと比べて大胆さが目立つ
本日のまとめ
冒頭で触れたように、お歳暮ギフト市場は右肩下がりのトレンド。
そんな状況下で、マーケティング的には、小売各業界・各企業が様々な新しいチャレンジしている今がいちばんオモシロい。明日のコンビニ、以降百貨店…と業態ごとにブログに書くので、乞うご期待!!