ちょっと?だいぶ?悪化?! 流通業界3月の通信簿(2016/5/3)
小売業界から3月の売上実績概況が発表されたのに続いて、経産省の「3月の商業動態統計」の発表もあったので、本日は【流通業界3月の通信簿】について書く。
◇業界団体別業績
◆スーパーマーケット協会
(オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会) 2016年04月21日
・総売上高は8713億9206万円(全店前年同期比3.2%増)
食品合計 7804億7762万円(3.7%増)
非食品計 非食品645億3826万円(0.6%減)
その他 263億7668万円(2.5%減)
好不調要因
・曜日まわり(日曜日が一日少ない)
・天候要因(高温、気温の変化大、好天)
・来客数の減少
◆日本チェーンストア協会
2016年04月21日
・総販売額は1兆729億円(前年同月比2.3%減)
・食料品6960億円(1.0%減)
・衣料品954億円(9.9%減)
・住関品2132億円(3.0%減)
・サービス31億円(7.5%減)
・その他650億円(1.2%減)
◆コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会)
2016年04月20日
・全店売上高 1年ぶりに既存店で昨対割れ
全 店 868,520百万円(前年同月比 +2.9%)
既存店 792,947百万円(前年同月比 -0.06%)
・来店客数
全 店:1,410,732千人(前年同月比 +2.4%)
既存店:1,304,299千人(前年同月比 -0.7%)
・平均客単価608円(前年同月比 +0.6%)12ヶ月連続のプラス
好不調要因
・気温変動大(上・中旬が気温高、下旬以降気温低下)
・引き続き、淹れたてコーヒーを含むカウンター商材や、弁当・調理麺等の中食が好調に推移し、全店・既存店共に客単価は前年を上回った
◆日本百貨店協会
2016年04月
・上総額は約5277億円(前年同月比2.9%減)、2ヶ月ぶりにマイナス
・3月は降水量が少なかったものの全国的に気候変動が激しく、特に中旬以降、気温の低い時期があったことから春物衣料の動きが鈍かった
・急激な円高や株価の低迷などを要因とする消費マインドの冷え込みも影響した
・衣料品・身のまわり品・雑貨・家庭用品・食料品の主要5品目では、雑貨が12か月連続のプラスとなった。衣料品は5か月連続、家庭用品が3か月連続、身のまわり品と食料品が4か月ぶりのマイナス
◆日本ショッピングセンター協会
2016年04月22日
・既存SC売上高の前年同月比は2.1%減
好不調要因
・株価下落のほか、内閣府が発表した3月の消費動向調査で、サービスなどの支出を「今より減らす予定」と回答した割合が増えていることから、消費マインドの悪化が顕在化した
◇平成22年基準消費者物価指数 全国 平成28年(2016年)3月分(2016年4月28日公表)
≪ポイント≫
(1) 総合指数は2010年(平成22年)を100として103.3
前月比は0.1%の上昇 前年同月比は0.1%の下落
(2) 生鮮食品を除く総合指数は102.7
前月比は0.1%の上昇 前年同月比は0.3%の下落
(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は101.3
前月比は0.3%の上昇 前年同月比は0.7%の上昇
統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の月次結果の概要)
本日のまとめ
3月の通信簿は、コンビニ、食品スーパー、チェーンストア、百貨店、SC全ての業種で▲か ×
総務省が発表した3月の家計調査結果が「消費の冷え込み」「食費の負担感増」という事実が小売の不振を示している。
※今年3月の2人以上世帯の実質消費支出は前年同月比5.3%減少と、市場予想(4.2%減)を上回る落ち込みだった
この先に明るい見通しは?と探してみても、東京五輪関係の特需が見込める首都圏以外には思い浮かばない。消費の低迷、株価の急落… 日本経済に関する追い風材料は見当たらず。大不況へのカウントダウンの始まりか?
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