コンビニ・スーパー・百貨店 2015年の流通通信簿(2016/1/28)
2015年一年間(1月~12月)の年間売上高が出そろった。そこで、今日は【205年の流通通信簿】と題して流通各業界の年間総括を…
〇コンビニエンスストア
2015年全国コンビニエンスストア売上高(1/20発表速報値)
・全店(新店込)売上高 10兆1,927億円(4.7%増)
・既存店売上高 9兆2,974億円(0.9%伸) ←4年ぶりのプラス
《短評》
・大手の積極的な新規出店(セブン-イレブン1,700店、ローソン・ファミマ各1,000店)による市場拡大により初の10兆円超え
・消費税増税の影響から脱するまで4年かかったが、淹れたてコーヒー、レジ横ドーナツなどの努力により、客数154億人(0.2%増)、客単価610円(0.7%増)
⇒ 客数、客単価が増えていることは、健全な成長、17年4月に消費税の再増税が予定されているが、他の業種と比べて影響はおそらく軽微
さらなる成長のカギは、同質競争はもちろん、異業種(食品スーパー、GMS、ドラッグストア)との違いの明確化
〇 スーパーマーケット
2015年全国スーパー売上高(1/21発表速報値)
・全店(新店込)売上高 13兆1,682億円
・既存店売上高 0.7%伸で19年ぶりのプラス
《短評》
・消費税増税から一回りした15年4月以降の食料品が好調
・日本チェーンストア協会の見解は、「賃金の増加や雇用の改善などの後押し」「ガソリン安などで家計に余裕がでている」を挙げている
・衣料品、住居関連品はまだ回復基調になく、売上が伸びた食品についても「生鮮の相場高」と「加工食品の値上げ」による客単価増によるもの、客数は落ちており、明るい見通しは感じられない
〇 百貨店
2015年全国百貨店売上高(1/18発表速報値)
・全店(既存店ベース)売上高 6兆1,742億円(0.2%減)、4年ぶりの前年割れ
・売上構成の3割強を占める衣料品の苦戦
婦人服3.9%減、紳士服2.1%減、子供服0.2%減
・食料品、家庭用品などの多くの主要品目が前年割れ
・化粧品12.5%増、美術・宝飾・貴金属8%増
・訪日外国人向けの販売額は約1,944億円(2.6倍)、客数も約250万人(2.6倍)
《短評》
・相変わらずのインバウンド消費頼みの百貨店、中国経済の浮沈にかかっているという事実は否めない
・化粧品の大幅伸びは、14年10月に化粧品が免税対象商品に加わった効果
・今年2月の春節(2月7日~14日)には爆買い消費はあるだろうが、秋以降は不透明
⇒ 訪日外国人による売上と日本人の売上は反比例関係にあることを早く知るべき、そして地道に「外商」と「店頭」で付加価値のある接客対応を取り戻してほしい。
〇 SC
2015年全国SC売上高(1/22発表)
既存施設売上高合計(速報値)は訪日客などによるインバウンド消費で伸びたものの、増税の反動減や11-12月の暖冬による冬物衣料の不振が響いた
本日のまとめ
2015年の小売業の通信簿は、実質的にはコンビニの独り勝ちという結果。
スーパーも4年ぶりに前年を上回ったようだが、値上げによる客単価アップが売上の実態となれば、2016年につながるものではない。
百貨店はといえば、相も変わらずのインバウンド消費頼み。
冬物商戦も異常気象で不振、2016年のスタートも良くなさそうで、行く末が心配される。
今年は消費税再増税も気にかかりはじめ、選挙もある…さてさて2016年の流通業の運命やいかに!?
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