日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

百貨店の未来が…(2015/8/14)

お中元やお歳暮が終わると、どこの百貨店でも「ギフト解体」なるセールを実施する。今年もお盆過ぎる頃から各百貨店が競うようにセールを実施する。


ギフト解体セールの起源は?

「ギフト解体セール」を最初に始めたのは「上野松坂屋」と記憶している。お中元(お歳暮)ギフト終了後の百貨店の催事場は閑古鳥状態。この時期お決まりの催しは「オールシーズンバーゲン」や「大蔵ざらえ」みたいな非食品系の催事、どれもパッとしない。そんな中、この窮地を救うべく「ギフト解体セール」を実施したら、ものすごい大ヒットにつながったという訳。何しろ有名メーカーハムや缶詰、コーヒー、調味料などギフトで売れ残ったセットをバラバラに解体して、破格の安さで販売した、いわば「理由あり現品処分セール」。ヒットしないはずがない。

 

ギフト解体セールの弱点と疑問が…

ギフト解体セールには致命的な弱点がある、何しろ売れ残った現品限りだから在庫に限りがあるのだ。各百貨店の返品在庫を仕入れ先を通じて入荷させるにしても限度がある。

今日のように多くの百貨店が似通ったセールをすれば、自ずと在庫量が… そして解体セールが盛況ということは、ギフトの在庫がたくさんあるということは、ギフトが売れなかったということになりはしないか??? それともなにかからくりがあるとか… 

 

本日のまとめ

ずいぶん昔になるが、“いつかはクラウン…”というテレビコマーシャルがあった。カーユーザーにとってトヨタのクラウンオーナーになることが憧れというメッセージCM。


いつかはクラウンのCM集 MS110/120 - YouTube

私にとってクラウンが百貨店。いつか百貨店で買い物できるような生活が出来るようになりたい… そんな勝手な幻想をもって百貨店をながめてきた。そんな百貨店に「ギフト解体セール」は決してふさわしい催しとは思えない。百貨店は生活文化向上の担い手であり続けてもらいたい。目先の売上なんかにとらわれ過ぎず、百貨店というブランドにふさわしい催しをしてもらうことを節に願う。