日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

百貨店9月の通信簿(速報値)(2016/10/11)

先週に百貨店各社から、9月の業績(速報値)発表があった。

「そごう・西武3店舗身売り」「百貨店再編」「爆買い終焉」「地方の百貨店苦戦」など、最近の百貨店に関してはうんざりするほど暗いニュースばかり。

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その真相を見極める意味でも、本日の【百貨店9月の通信簿】は普段以上に厳しいスタンスで書く。

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◇企業別9月の業績

 〇 三越伊勢丹

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・三越伊勢丹の国内百貨店事業の合計売上高は前年同月比4.9%減 ×

・台風増加や高めに推移する気温の影響や祝日1日減といった要因が売上に響いた、前年には届かないものの、2桁減だった先月からはマイナス幅が縮小

・婦人雑貨は引き続き堅調に推移、衣料品、宝飾時計の苦戦は続いているが、お得意様販売会では前年プラスとなるなど、独自のイベントや催事により買上客数は前年を上回った

・インバウンドは引き続き苦戦しているが、客数は再び前年プラス、客単価のマイナスが持ち直した。


 

〇 J.フロントリテイリング

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 ・J.フロントリテイリングの大丸松坂屋百貨店の合計売上高は7.4%減、博多大丸、下関大丸、高知大丸を加えた百貨店事業合計8.0%減 ×

・化粧品が好調に売上を伸ばした

・名古屋店のメンズ売場改装効果の持続により紳士服飾雑貨が堅調に推移した

・気温が前年を上回ったことにより、秋物婦人ファッションの動きが鈍った

・心斎橋店本館建替え工事による面積減、西日本を中心とする台風や降雨日数増、休日1日減などマイナスの影響

 

※上半期業績

・J.フロント/3~8月は売上高5.9%減、営業利益12.5%減、経常利益23.3%減、当期利益14.5%減 ×

・松坂屋名古屋店は、昨年春から段階的に実施している第3期改装計画が完了し4月にグランドオープン

・インバウンドマーケットにおける持続的・安定的な売上の確保を目指して、3月に訪日外国人富裕層に向けた「大丸松坂屋エクスクルーシブカード」を発行するとともに、4月には中国のモバイル決済サービス「QQ Wallet」を導入。

・外商における成長戦略としての新規口座開拓を新たな手法を用いて今年度も継続して推進した。富裕層マーケットの拡大に向け、商品、サービスを充実

・オムニチャネルへの取り組みでは、ファッションECサイトの取り扱いブランドの拡大を進めた。千趣会との共同開発オムニファッションブランド「Kカラット」は、大丸松坂屋百貨店の5店、千趣会のカタログ、両社のECサイトで販売をスタート

 

 

〇高島屋グループ 

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・高島屋単体(13店)の売上高は前年同月比4.2%減 ×
・国内百貨店子会社を含む17店の売上高は4.3%減 ×
・前年と比較し気温が30度を超える日が多く秋物衣料の動きが鈍かった

・台風による影響や休日が1日減少した

・免税販売額は、化粧品等が好調に推移し16.7%増

 

 

 
 
〇H2O

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・阪急阪神百貨店の全社計売上高は前年同期比6.8%減 ×

・阪急本店5.2%減、阪神本店12.3%減、支店計6.8%減 ×
 
 
 
〇そごう・西武

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・そごう・西武全23店合計の売上高は0.2%増 

 西武池袋本店は0.7%減

・暮らしに向けた生活必需品や新しい自主商品が好調

・婦人雑貨、住居関連が大きく前年超え

・婦人雑貨は化粧品、洋品小物など、住居関連は食器、キッチン、寝具などが好調

・自主商品では、今秋から新たに取り組んだ、世界的デザイナー高田賢三氏やカール・ラガーフェルド氏を起用した衣料品が大きく目標超え 


本日のまとめ

消費税増税が延期凍結になったにもかかわらず、流通業が氷河期に入った模様。2016-2017年にかけて多くの百貨店、大型量販店の閉店が予定されているが、これは序章に過ぎない。爆買い終焉、消費者の生活防衛意識…様々な理由が取りざたされているが、そんなところに根本の問題はないことは明白。 


 問題は『少子高齢化社会』の進行に適応した、社会構造になろうとしていない現実にある。

食べる人が確実に減少しているのに、生産・出荷・販売前年比105~110%というのは、どう考えてもおかしい…


 

 

 

 

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