日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

百貨店7月の通信簿(速報値)(2016/8/9)

先週はじめに、百貨店各社から7月の業績発表(速報)があったので、本日は【百貨店7月の通信簿】について書く。

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百貨店大手5社、7月3社が増収(8月2日 日経新聞朝刊)
・大手百貨店5社が1日発表した7月の売上高(既存店ベース、速報値)は5社中3社が増収
・セールを前倒ししたこともあり、これまで低調だった紳士服や婦人雑貨などに動きが出た
・7月は前年より休日が2日多かった効果もあり、販売の回復傾向が定着するのか楽観視できない状況が続く

・伸び率が最も大きかったのは阪急阪神百貨店で前年同月比2.3%増と3カ月ぶりのプラス

・そごう・西武は0.2%増、高島屋は0.1%増、三越伊勢丹は1.3%減

・大丸松坂屋は1週間前倒ししたセールが好調に推移したものの、3.1%減



◇企業別7月の業績

 〇 三越伊勢丹/7月の売上0.4%減

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・国内百貨店事業の合計売上高は前年同月比0.4%減
・夏物アイテムを中心に、紳士・婦人衣料が動き、これまで好調だった婦人雑貨と合わせ、売上は前年並みに復調
・インバウンドは引き続き苦戦が続く一方、国内客の購買は、新しい提案に積極的に取り組んだことで上向き

・夏のクリアランスセールは前年には届かなかったものの、MIQをはじめとした独自施策により、基幹店ではプロパー売上は前年を上回った

 

↡ サマーフェスタ 

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〇 大丸松坂屋百貨店/7月の百貨店事業2.7%減

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・大丸松坂屋百貨店の合計売上高は3.1%減

・博多大丸、下関大丸、高知大丸を加えた百貨店事業合計2.7%減

・クリアランスセールが好調に推移したことにより、婦人靴、ハンドバッグ、紳士服飾雑貨などが売上を伸ばし、化粧品も好調を持続した

・心斎橋店本館建替え工事に伴う面積減の影響が大きく、前年大きく売上を伸ばした訪日外国人売上の反動減もあった
・東京店が16か月連続で対前年プラスとなったほか、梅田店、京都店、神戸店、上野店など、直営15店中8店と、博多大丸が前年実績を上回った

 

↡ 夏休みわくわく鉄道ランド 

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〇 高島屋/7月の店頭売上0.1%増

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・高島屋単体(13店)の売上高は前年同月比0.1%増、国内百貨店子会社を含む17店の売上高は0.1%増

・店頭売上は、クリアランスセールが堅調に推移した影響などもあり、4か月ぶりに前年実績を上回った
・免税販売額は、化粧品などが好調に推移し、2.6%増

 

 ↡ 暑い中の来店誘導 

気象庁が午後5時に発表する天気予報で、京都府南部の翌日の「最高気温」が35℃以上と発表された場合、翌日お得なメニューが登場する「猛暑日サービス」を実施いたします。また、期間中、館内では涼しさを感じられる「涼感メニュー」もご用意しています。今年の夏は京都タカシマヤで涼しく、お得なサービスをお楽しみください。

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Good Summer Days! | 京都タカシマヤ

 

 

 

〇 阪急阪神百貨店/7月の売上高は全社2.3%増

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・阪急阪神百貨店の全社計売上高は前年同期比2.3%増

・内訳は、阪急本店3.4%増、阪神本店1.6%減、支店計2.1%増

 

 ↡ 毎日テレビ(MBS)人気ワイドショー「ちちんぷいぷい物産展」予告

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〇 そごう・西武/7月の売上0.2%増

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・そごう・西武全23店合計の売上高は0.2%増

・西武池袋本店は1.5%増

・食品や婦人雑貨が前年を超え好調

・婦人雑貨は化粧品が2ケタ台で伸長し、食品は総菜、菓子がけん引
・衣料や住居、高額品である宝飾、時計は前年に届かなかった
・中元ギフトは、鰻やアイスクリームといった猛暑に向けたギフトが伸長

・セールは前年と同じ1日スタートが奏功して前半好調も、後半に鈍化

 

 ↡ めんそーれ沖縄の物産展

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本日のまとめ

日経の発表にもあるように、百貨店大手5社・7月の業績が分かれた。
阪急阪神百貨店(前年同月比+2.3%)、そごう・西武(同+0.2%)、高島屋(同+0.1%)の3社が増収。
増収の要因として3社が挙げているものは
 ① セールの前倒しし → 翌月に反動が出ること必至
 ② 前年より休日が2日多かった → 休日2日分の売上は相当大きい

と業績回復とはいえないのが実情

インバウンド消費も変化(高額品から普段品)がみられ、客単価が大幅に下落していることや、ギフト市場の縮小… 百貨店にとって追い風になる要素は少ない。

そごう・西武が八尾店と関東の1店計2店舗を閉鎖を発表した。 そごう・西武はセブン&アイHD傘下だから、比較的スクラップに対する抵抗感は少ないかもしれない。

その点、呉服屋から数えて何百年…という老舗百貨店にとって店舗スクラップという選択肢はほとんどないのが現状ではないか。

 ターゲット拡大か、絞り込みか…

 物販に特化した存在か、文化の担い手としての存在か…

 選択肢は多いようで、そんなに多くないのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

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