百貨店6月の通信簿(グループ・単体速報値)(2016/7/21)
百貨店各社から2016年6月の業績発表があったので、昨日のコンビニに続いて、本日は【6月の百貨店通信簿】について書く。
〇 高島屋グループ/6月の総計2.7%減 ×
・高島屋の総計は前年同月比2.6%減、高島屋と国内百貨店子会社の総計は2.7%減
・百貨店は、衣料品や高額品などが低迷した影響が大きく前年実績を下回った
・7月の店頭売上は14日までの累計が、3.6%増となっている。
(百貨店単体) 高島屋単体(13店)の売上高は前年同月比2.4%減
・国内百貨店子会社を含む17店の売上高は2.5%減
・6月度の店頭売上は、衣料品の苦戦に加え、不安定な株価の影響などもあり高額品の動きも鈍く、前年実績を下回った
・免税販売額は、化粧品などが好調に推移したものの1.6%減の微減
・免税販売額は、化粧品などが好調に推移したものの1.6%減の微減
〇 J.フロントリテイリング/6月の連結売上は6.2%減 ×
・6月の連結売上は前年同月比6.2%減
・百貨店事業は6.8%減、パルコ事業は0.1%増、卸売事業は28.1%減、クレジット事業は4.0%増、その他事業は1.2%増
・パルコ事業は、衣料品の動きが鈍かったことや、前年に好調であった集客型イベントの反動減などが影響した一方、8月から一時休業する渋谷パルコのセールが好調に推移したことや、総合空間事業のパルコスペースシステムズの外部受注が増加
・パルコ事業は、衣料品の動きが鈍かったことや、前年に好調であった集客型イベントの反動減などが影響した一方、8月から一時休業する渋谷パルコのセールが好調に推移したことや、総合空間事業のパルコスペースシステムズの外部受注が増加
(百貨店単体) 大丸松坂屋百貨店/6月の百貨店事業6.9%減
・大丸松坂屋百貨店の合計売上高は7.1%減で、博多大丸、下関大丸、高知大丸を加えた百貨店事業合計6.9%減
・百貨店事業の売上高は、化粧品が好調に売上を伸ばしたほか、名古屋店のメンズ売場改装効果も寄与したものの、心斎橋店本館建替えによる面積減のマイナス影響が大きく、また盛夏もの婦人ファッションの動きが鈍かった
・店舗別では、東京店が15か月連続で対前年プラスとなったほか、豊田店が前年実績を上回った
・店舗別では、東京店が15か月連続で対前年プラスとなったほか、豊田店が前年実績を上回った
〇 H2O/6月の連結売上2.0%減 ×
・連結合計売上高は2.0%減
・百貨店事業は1.8%減、スーパーマーケット事業は6.1%増、イズミヤ事業は5.8%減
(百貨店単体) 阪急阪神百貨店/6月の売上高は全社1.8%減
・阪急阪神百貨店の全社計売上高は前年同期比1.8%減
・内訳は、阪急本店0.5%減、阪神本店7.0%減、支店計1.5%減
(百貨店単体) 三越伊勢丹/6月の売上4.4%減、インバウンドが苦戦
・国内百貨店事業の合計売上高は前年同月比4.4%減
・夏物など一部アイテムに復調の兆しが見られるものの、前月までと同様、高額品、衣料品が苦戦
[衣料品]
[衣料品]
・紳士は父の日ギフトでネクタイやカフスが動いたが、全体では前年には及ばず
・婦人雑貨は、引き続き化粧品が好調のほか帽子や傘など夏物が動いた
・高額品は宝飾・時計の苦戦が継続
[インバウンド]
[インバウンド]
・宝飾時計など中心に引き続き苦戦
・主力アイテムの化粧品のほか子供服は好調が継続
[中元ギフト]
[中元ギフト]
・独自企画品がけん引し、基幹3店計で前年を上回るペースで好調に推移
爆買いに陰り?6月売上4・4%減 京都市内の4百貨店
京都百貨店協会が20日発表した京都市内4百貨店の6月総売上高は、前年同月比4・4%減の183億円だった。訪日外国人観光客の消費単価が減少したほか、雨天の日が増えたために客足も伸び悩んだ。
4百貨店は、大丸京都店、京都高島屋、藤井大丸、ジェイアール京都伊勢丹。京都伊勢丹は、JR大阪駅ビル内商業施設「ルクア1100」に入居している系列店舗の売上高を合算している。
衣料品は前年同月より5・2%減少した。一部の百貨店は夏のバーゲンの前倒しや浴衣の販売強化などで顧客獲得を目指したものの、全体としては力強さを欠いた。同協会は「景気の停滞を背景に、必要な品しか購入しない雰囲気が続いている」とみている。
化粧品は訪日客の人気が根強く、4・8%増に。中でも藤井大丸は人気ブランドの改装効果も手伝って37・6%伸びた。一方で美術・宝石・貴金属は18・3%減に。訪日客による高額品需要の落ち込みが響いた。
食料品は0・7%減だった。お中元商戦が堅調に推移して総菜が伸びたものの、雨天日が前年より5日多かった影響で入店客が減り、生鮮食品は前年同月を下回った。
7月は10日までの総売上高が15・3%増。各店ともバーゲンの出足が比較的堅調に進んでおり、食料品部門の改装や催事にも力を入れる。祇園祭による集客効果も利用し、増収につなげる。
本日のまとめ
百貨店の業績が良くない。通常6月は「お中元(サマーギフト)」で稼ぎ、7月はクリアランスセールで稼ぐシナリオであるが、中元は市場縮小、天候不順で夏物も動く気配がない…
3連休最終日、且つ祇園祭先祭巡行翌日の18日(海の日)に近畿は梅雨明けしたこともツキがない。
せめて15日(金)に梅雨明けしてくれていたら…
ということで、頼みはインバウンド(爆買い)しかない。
しかしインバウンドにも陰りがみられるようだ。訪日外国人は減少しておらず、むしろ増えている。要するに、買い物の中身が変わってきているのが真実のようだ。中国の訪日客の多くがリピーターで、何度も炊飯ジャーを買う訳もない、ただ化粧品やおむつなどの消耗品の爆買い傾向は続いている模様。