日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

11月の流通通信簿(2015/12/26)

小売業界 11月通信簿発表

小売業界から11月の売上実績概況が発表されたのに続いて、経産省の「11月の商業動態統計」の発表を待たずに記載する。

今月については、業界ごとに晴雨がみられた模様。

 

◇業界団体別業績

◆スーパーマーケット協会

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・総売上高8020億円(前年同月比100.3%)、8カ月連続で前年実績を上回る

 ↑ 気温高により飲料や行楽弁当が好調の一方、鍋用商材は不振

 ・生鮮3部門計 +0.5%(青果 +2.8%、畜産 -0.9%、水産 -0.7%)

 ・惣菜 +0.7%

 ・一般食品(米・調味料含) +0.3% ← 米の相場高、加工食品値上げ効果

 ・日配品(冷食・アイス含) +1.0% 

・地域別では売上高が大きい関東地方が +0.4%、対して関西地方は -0.3%

 

◆日本チェーンストア協会

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・総販売額1兆682億円(既存店前年同月比 -1.0%)、8ヶ月ぶりにマイナス

・部門別では、食料品 +1.6%、衣料品 -5.3%、住関品 -3.6%、サービス 1.7%減、その他1.5%減 

↑ 気温高の影響で、冬向けの季節商品を中心に衣料品や住関品が不調。

 食料品 農産品などの伸びで引き続き好調だったが、減少分を補えず

 住関品 食器など販売金額が大きい日用雑貨品が振るわなかったほか、医薬・化粧品も入浴剤などの不調で減少幅大

 衣料品 紳士・婦人共にセーターなどの防寒関連商品やジャケットの動きが鈍い

 

◆コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会)

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・売上高7607億円(前年同月比 +0.9%)、8ヶ月連続プラス

 ↑ 淹れたてコーヒーなどのカウンター商材、調理麺の好調、客単価伸びが、雨による来店客数の減少を補った。

 ・日配食品(カウンター商材・弁当含) +2.6%、調理麺、デザートの好調による

 ・加工食品(菓子・アルコール類含) +0.8%

 ・サービス(チケット) +8.0%

・来店客1人当たり購入金額 596.9円(前年同月比 +1.3%)、8ヶ月連続プラス ← 買上点数増が寄与

・来店客数前年同月比 -0.5%、2ヶ月ぶりのマイナス ← 降水日数多く、日照時間数が少なかった

 

◆日本百貨店協会

 

・売上総額5418億円(前年同月比 -2.7%)、8ヶ月ぶりにマイナス

 ↑ 月度を通しての天候不順や温暖な気候、土曜日の1日減による

・衣料品・身のまわり品・雑貨・家庭用品・食料品の主要5品目では、雑貨が8ヶ月連続のプラス、衣料品は2か月ぶり、家庭用品と食料品は3か月ぶり、身のまわり品は8か月ぶりのマイナス

・京都百貨店(JR京都伊勢丹を除く3百貨店)売上高計 148億円(前年同月比 -2.2%)、8ヶ月ぶりに前年割れ

 ↑ 暖冬の影響で冬物衣料品や生鮮食品が振るわず

 

◆日本ショッピングセンター協会

 

・SC売上高は前年同月比2.9%減、前年に比べて土曜日が1日少なく、天候不順や暖冬の影響で8ヶ月ぶりのマイナス。

暖冬のため婦人服を中心に重衣料、ブーツなど靴の不振により、アパレル比率の高い「テナント」は3.1%減になった。
 

 

◇消費者物価指数(平成22年基準)から見た平成27年11月の物価指数(中旬速報値)

ポイント
 (1)  総合指数は2010年(平成22年)を100として103.5
    前月比は0.3%の下落  前年同月比は0.3%の上昇
 (2)  生鮮食品を除く総合指数は103.4
    前月と同水準  前年同月比は0.1%の上昇
 (3)  食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は101.7
    前月と同水準  前年同月比は0.9%の上昇

統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の月次結果の概要)

本日のまとめ

11月はコンビニ、食品スーパー ◎、チェーンストア △、百貨店、ショッピングセンター ×

各団体が挙げている好不調要因は、下記2点

 ① 天候条件 … 暖冬、不安定な気象

 ② 曜日配列 … 月のうち、土曜日の日数が前年から一日減

経済産業省の「商業動態統計(平成27年11月分)」の総合指数では、前年同月比プラスになっているが、理由が全く分からない… 

私の周りは、みんなそんなにお金を使っているように思えないので…

 

  

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