日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

ボ-ジョレ・ヌーボー解禁(2015/11/19)

いよいよ待ちに待った? ボジョレー・ヌーボー解禁日。と言う訳で、本日は【ワイン】の話 … 例によって斜め45°視点であることを、最初に断っておく。

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◇ボジョレー・ヌーボーとは?

フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地域で造られる、その年に収穫された葡萄をその年に仕込む、フリッシュな新酒(=ヌーボー)をボジョレー・ヌーボーと言う。もともとはボジョレー周辺の地元住民が「地酒」感覚で楽しんでいたものを、1967年にフランス政府が公式に11月15日を解禁日にして発売することが認められたのをきっかけに、最初はパリのレストランで大ブレイク。そして1970年代に入ると、陸路や空路の発達に伴い、日本を含め世界中に広く知られることとなった。

エイジゲート | サッポロビール

 

◇ボジョレー・ヌーボー悲(喜)劇の歴史?

日付変更線の関係から、ヨーロッパやアメリカに先行して、ワインを飲むことが出来るということで、日本では一大ブームを巻き起こした。解禁の瞬間(11月11日午前0時)にはシャンパンタワーならぬ、ワインタワーなどド派手なイベントが有名ホテルやBARなどで繰り広げられたものだ。中には、バスタブをボジョレー・ワインでいっぱいにはしたワイン風呂という輩まで登場しそれをワイドショーが報道する始末。

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◇ボジョレー・ヌーボーのキャッチコピーの歴史 

 wikiデータ参照

毎年ボジョレー・ヌーボーが近づくと、販売業者やソムリエたちが“今年のヌーボーは…”などと評価するのだが…

並べてみると滑稽で面白い。イカしたコピーのオンパレ!! をたっぷり堪能して。くれぐれも笑い過ぎにご注意を。

1983年 これまでで一番強くかつ攻撃的な味

1985年 近年にない上物

1992年 過去2年のものよりもフルーティーで軽い

1995年 ここ数年で一番出来が良い

1996年 10年に一度の逸品

1997年 まろやかで濃厚、近年稀にみるワインの出来で過去10年でトップクラス

1998年 例年のようにおいしく、フレッシュな口当たり

1999年 1000年代最後の新酒ワインは近年にない出来

2000年 今世紀最後の新酒ワインは色鮮やか、甘味がある味

2001年 ここ10年で最もいい出来栄え

2002年 過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで、1995年依頼の出来

2003年 110年ぶりの当たり年

2004年 香りが強く中々の出来栄え

2005年 タフな03年とはまた違い、本来の軽さを備え、これぞ『ザ・ヌーボー』

2006年 今も語り継がれる76年や05年に近い出来

2007年 柔らかく果実味豊かで上質な味わい

2008年 豊かな果実味と程よい酸味が調和した味

2009年 過去最高と言われた05年に匹敵する50年に一度の出来

2010年 2009年と同等の出来

2011年 100年に一度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え

2012年 偉大な繊細さと複雑な香りを持ち合わせ、心地よく、よく熟すことができて健全

2013年 みずみずしさが感じられる素晴らしい品質

2014年 太陽に恵まれ、グラスに注ぐとラズベリーのような香りがあふれる、果実味豊かな味わい

2015年 過去にグレートヴィンテージと言われた2009年を思い起こさせます

 

1983年以降今年までずっとバブリーな世界が存在し続けていることにまず驚嘆!!

キャッチコピーでこんなに、この世界の特殊性?異常性?がわかるなんて…

なにが滑稽と言って、ボジョレー・ヌーボーワインが毎年毎年優れているという話。テクが日進月歩の工業製品ならいざ知れず、農作物(ぶどう)のこと、日照時間や降雨、また土壌など自然環境の影響で、不作(イマイチ)の年もあったはず…なのに毎年毎年出来栄えが良いなんて、どう考えても不自然。さすがにキャッチコピーで“まずい”とは言えないだろうが…

他の年と比べるのではなく、その年のワインの特徴を素直に表せば、こんな詐欺まがいのキャッチコピーにはならなかったのでは?  

ホイチョイプロの「気まぐれコンセプト」はいまだにビッコミスピリッツに連載されているから、バブリー路線もありか…??

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エンドユーザー(消費者)不在が、こんな詐欺まがいのキャッチコピーを許す世界をつくってしましっのだと思う。事実ワイン全体の消費は、年々伸張しているなか、ボジョレー・ヌーボーの売り上げは鈍化に歯止めがかからない状態。ワインの認知度向上と日常化 というボジョレー・ヌーボーは役割を終えた感が強い。

私の拙い知識では、そもそもワインの価値はヴィンテージ、樽でどれだけの時間寝かせたかが大事なのでは…? 出来立てのワインは、縁起物としての価値以外に何があるのだろうか?

◇アルコール類への支出が縮小の中、ワインだけが伸長 

平成12年以降、ワインへの支出は酒類全体と同様に減少傾向にあったが、平成23年以降では、ワインに含まれるポリフェノールなどの健康への効果が注 目されていることもあって増加しており、近年、減少傾向が続く酒類全体とは異なる動きを示している

http://www.stat.go.jp/data/kakei/tsushin/pdf/26_11.pdf

 

◇ワインについてのアンケート ※アサヒビールHDハピ研

ワイン市場の底辺は広がったが、果たしてみんなどのように、ワインと付き合っているのか…についての調査分析サマリー
・6割近い人が「月1回以上」の頻度でワインを飲む、特にシニア層でワインの頻度が増加
・ワインは「家」「居酒屋」で飲む人が多く、大衆化
 家呑みワインの相場は「1千円未満」、ハレの日は予算アップ
・ワイン選びの条件は「料理(肉・魚)」×味(辛口・甘口)×ぶどうの品種
 「店頭POP」「ラベル買い」もワイン選びの要素
・人気の産地は「日本」、食の安全ち質の向上が決め手
・4割以上は「ヌーボーを飲む」と回答、クリスマス同様女性に人気が高い

 

◇家計調査に見る京都人のワインへの支出傾向

京都人のワインへの支出は全国第9位、酒類全体での支出ランク(22位)から判断すると、家でワインを飲む人は多い。

ちなみに、1位は東京都区郡、2位横浜市、3位長野市、4位仙台市、5位川崎市、6位甲府市…と東日本を中心にワインは飲まれているという興味深いデータ。西日本では福岡市(8位)に次いで京都市は支出が多い。

 

本日のまとめ

ボジョレー・ヌーボー解禁日のランチキ騒ぎは、過去のモノと思っていたら、なんのなんの、銀座で、お台場で、六本木で…と今年も全国各地でイベント目白押し。

ハローウィンで盛り上がりはじめ、ボジョレーでセカンドギア、クリスマスでサードギア、正月のカウントダウンでトップギア??? せいぜいクラッシュしないように… 

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今年は、本国フランスでのボジョレー・ヌーボーイベントは全部中止になっているだろう(向こう3カ月程度全土非常事態宣言と聞く)。せめて今年のボジョレー・ヌーボーは、テロの犠牲者に黙とうをしてから、ワインを飲むくらいのモラル(常識)はもちたい。いま我々が教授している『平和』に感謝しながら、静かに献杯。

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