家計調査にみる「京のおばんざい事情」(2015/10/7)
京都の人なら、誰もが聞いたこと、食べたことがある「おばんざい」。
でもあらためて“おばんざい”の定義は?”と聞かれたとき、きちんと答えられる人は案外少ないのでは… という訳で今日は【おばんざい】の話。
◇おばんざいってなに?
おばんざいは、一流料亭の職人がつくる伝統的な京料理と異なり、庶民の家庭料理としてつくられる惣菜のこと。
いまでこそ、ブランドになっている京野菜であるが、賀茂茄子、鹿ケ谷南瓜、万願寺唐辛子、聖護院大根、堀川牛蒡などもともとの地場野菜を、かつお節、昆布、しいたけの旨味を付けた煮物焚き物(炊いたん)がおばんざい。
◇京都人のおばんざいへの支出ランクは?
家計調査で、おばんざいは「乾物・海藻」「大豆加工品」「他の野菜・海藻加工品」に分類される。3つの分類それぞれについて、詳しく見てみる。
「乾物・海藻(野菜・豆類を乾燥させたもの・海藻類)」への支出ランクは全国3位
ベスト10に入っている品目は
・「豆類(小豆・えんどう豆・金時豆など)」が全国3位
・「こんぶ(出汁昆布)」が全国2位
・「他の乾物・海藻(かんぴょう・ひじき)」が全国3位
「大豆製品(大豆を主原料として工業的加工を施したもの)」への支出は全国5位
ベスト10に入っている品目は
・「油揚げ・がんもどき」が全国2位
・「他の大豆製品(おから・湯葉 )」が全国3位
「他の野菜・海藻加工品(豆類,海藻を主成分として工業的加工を施したもの)への支出ランクは全国1位
ベスト10に入っている品目は
・「こんにゃく」が全国9位
・「だいこん漬」が全国5位
・「他の野菜の漬物(奈良漬・わさび漬・福神漬など)」が全国1位
・「こんぶつくだ煮(魚,野菜入りなどの混合つくだ煮)」が全国2位
・「他の野菜・海藻のつくだ煮(のり・きゃらぶきのつくだ煮)」が全国3位
本日のまとめ
品目を細かく検証すると、さすが“おばんざい”の町…京都!! 京都人の食生活を垣間見ることができる。こんぶは和風出汁の基本、かんぴょう・ひじき、油揚げ・がんもどき、おから・湯葉、こんにゃくなんかも京都のどこの家庭でも普通におかずとして出てくる。
ちなみに「乾物・海藻」「大豆加工品」「他の野菜・海藻加工品」分類で、ランクが 低い品目は、「わかめ」44位、「納豆」36位。
いまでこそ納豆は関西でも食べる人が増えてはいるが、京の朝食シーンには似合わない…とおもう。