日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

家計調査にみる「芋(いも)・蛸(たこ)・南瓜(なんきん)」(2015/9/15)

【芋(いも)・蛸(たこ)・南瓜(なんきん)】は、女性が好きな食べ物と聞いてよく知っている。よくよく調べてみると、江戸時代の著名な浮世草子作家井原西鶴の「とかく女の好むもの芝居 浄瑠璃 芋蛸南瓜」という一節が起源のようである

そこで秋の旬「芋(さつまいも)」「南瓜(かぼちゃ)」のふたつが入っている、3つの食材について、家計調査面から考察する

 

① 芋(さつまいも)

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◇(家計調査における)さつまいもへの支出額

京都市は全国1位の徳島市に次いで全国2位

ちなみに3位以下は和歌山市、金沢市、神戸市、高松市、名古屋市、千葉市、堺市、松江市と規則性が感じられない。また名前の“さつまいも”の薩摩(=鹿児島市)の支出額は全国17位と予想外に少ない

◇家計調査「さつまいもへの支出」

・さつまいもは秋から冬にかけての寒い時期の購入が多い

・年齢階層別にみると全ての年代で女性が男性を上回っている

・60歳以上の女性の支出が最も多く、34歳未満の男性の27倍を支出

余談ながら、10月13日は「さつまいもの日」 さつまいもを「十三里」と呼ぶことから、埼玉県川越市の「川越いも友の会」が、旬にあたる10月13日を「さつまいもの日」に制定 

http://www.stat.go.jp/data/kakei/tsushin/pdf/24_10.pdf

↑家計調査「さつまいもへの支出」

 

② 蛸(たこ) 

◇(家計調査における)蛸への支出額

京都市は全国6位の支出額と高いけれど近畿の中では少ないほう 

ちなみに上位は 1位奈良市、以下堺市(2位)、神戸市(3位)、大阪市(4位)、高松市(5位)…と続く

◇関西で突出した支出額

・支出額が全国第3位の神戸は“明石焼き”、4位の大阪は“たこ焼き”のための支出

 1世帯平均の蛸への支出額は、近畿が全国平均(1,294円)を大きく上回る1,754円

◇全国的には12月、関西は夏場の支出が多い 

 7月2日(年によっては7月1日)の雑節「半夏生」に、関西周辺で蛸を食べる習慣があることから、関西では7月の支出が12月を上回っているttp://www.stat.go.jp/data/kakei/tsushin/pdf/27_7.pdf

↑家計調査「たこ(たこ)への支出」

 

③ 南瓜(かぼちゃ)

◇(家計調査における)かぼちゃへの支出額

京都市は全国8位の支出額。鹿ヶ谷かぼちゃという京野菜があるけどねぇ

ちなみに上位は 1位東京都(区群)、以下川崎市(2位)、横浜市(3位)、甲府市(4位)、さいたま市(5位)、静岡市(6位)、千葉市(7位)…と関東の都市が上位を独占している

 

◇行事とかぼちゃ

・冬至(一年最後の二四節気)

 冬至にかぼちゃを食べるのは、中風(脳卒中)や風邪を引かないとの願いから

・ハロウィン(10月31日)

 古代ケルト人のお祭りが起源と考えられる収穫祭の類

 いまでは宗教行事としての色彩は薄れ、秋の収穫の象徴「かぼちゃ」をモチーフにした祭りとして、日本でも盛んになっている

 

本日のまとめ

今回いちばんの収穫は、家計調査データから明白に地域特性が見えたこと。蛸は関西、南瓜は関東での支出が多いという理由は憶測の域を出ないが、このあたりのことの深掘りが今後の課題か