日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

続々秋の旬③(2015/9/14)

秋の味覚といえば…やはり「さんま」。少々古いアンケートではあるが、さんまは断トツの1位。

毎週アンケート

…ということで本日は【さんま】を取り上げる

 

◇さんまの基本知識

1.名前の由来

青紫の背中に銀白色の細長い体型が「刀剣」を連想させ、秋にとれる代表的な魚であることから、「秋刀魚」の字があてられたとのこと。

2.美味しいさんま

秋に産卵のために寒流(親潮)にのって、北海道から太平洋側を東北、関東沖を通過して九州沖まで南下する回遊魚

・8月に北海道の根室や釧路漁港に水揚げされるサンマがいわゆる旬の中の旬=走りのさんま。毎年初セリでいくらの値を付けた…などのニュースになる。この時点のさんまは高価で高級料亭などに出荷されるので、庶民にはまだ大衆魚ではない

・太平洋沿岸を南下して、9月初め頃に三陸沖から銚子沖で水揚げされるさんまが、もっとも脂がのっておいしい。量も増えて価格も安定し、ようやく我々の食卓にも並ぶ時期になる、つまりさんまは大衆魚になる。

・銚子沖過ぎるあたりから、脂が少なくなり味も落ちる

 

◇京都人とさんま

京都の人には「魚好き」「旬好き」というイメージがある。

実際に京都市の魚好きは家計調査結果(平成24年~26年平均支出額)でも、「魚介類」全体で全国7番目、「鮮魚」分類で5番目と高いことが証明されている。

魚種をみてみると、「かれい(6位)」「鯛(6位)」「蟹(5位)」「海老(4位)」など、どちらかというと高級イメージがある魚種への支出額が多い。

では、我が「さんま」は何位?

驚くなかれ32位、消費量はさらに低い39位と、同じ大衆魚の「鯖(21位)」よりも下位ランク。以前、京都人のエンゲル係数は東京23区並みに高いと書いたが、それを裏付ける結果となった。

ちなみに全国のさんまへの支出額が高い都市は

1位 仙台市、2位 盛岡市、3位 秋田市、4位 青森市、5位 札幌市、6位 山形市、7位 千葉市、8位 福島市…と、さんまの水揚げが多い県での消費額が多い。 

http://www.stat.go.jp/data/kakei/tsushin/pdf/24_9.pdf

↑家計調査「さんまへの支出」

 

本日のまとめ

地球温暖化で、食に旬がなくなりつつあるように思うが、さんまも同じ。

最高気温が30℃を超えるような状況で、今日は初物さんまで秋を満喫して…といわれてもなかなか難しい…

松茸とて同じ、いまや商社が世界中の松茸産地から買い集めてくるので、松茸=丹波=秋という構図はまったくない。なにしろ夏場からメキシコ、カナダものが店頭に並ぶのだから… 

そんなことをいうと、最近のテーマ「秋の旬」そのものが成り立たないのでこのあたりで…

 

書き足し

古典落語に「目黒のさんま」という演目がある。さんまという低級な魚を庶民的な流儀で調理したらうまかったが、丁寧に調理したらまずかったという殿さまと庶民の滑稽ばなし。

目黒のさんまはどこで買えるのか?

“目黒のさんままつり“というイベントは、毎年9月に実施される「目黒区民まつり」の中の企画としてあり、今年が第20回の節目のメモリアルさんままつりで、今度の日曜日(9月20日)。目黒のさんまはシルバーウイーク真っ只中の今度の日曜日に買うことができる。

さらに余談になるが、目黒という土地は、品川、渋谷、世田谷区と隣接しており、今でこそ大都会?であるが、明治の終わり頃から昭和の初め頃まで、「目黒競馬場」という今の東京(府中)競馬場の前身があったというほど田舎、大衆的なさんまのイメージも違和感がない。

第39回目黒区民まつり(目黒のSUNまつり)