日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

キーワードは[上質]?](2015/8/28)

景気の良さを反映しているのか、食品メーカー各社の秋冬新商品発表のリリースを見ると、やたら【上質】という言葉が登場する。

上質を辞書で調べると「品質が上等であること。また、そのさま。」とある。

 

メーカー各社の上質 新商品 

◇ 紀文食品、15年秋冬新商品 「上質」など訴求 和食志向がベース

紀文食品15年秋冬の新商品を8月31日から発売。糖質を制限した商品、野菜の栄養素が手軽に摂取できる商品の市場拡大を見込み、上質「簡単・時短」「健康」をキーワードとして和食嗜好に応える。

「鍋だね」シリーズ

◇ 「サトウの切り餅 金芽米もち」

金芽米もち米を原料に使用。ヘルシーでうまみのある原料を使用。金芽(胚芽の基底部)はビタミンB1、ビタミンE、食物繊維が多く、味がよい。亜澱粉層(うまみ層)は精白米より上質甘みとコクがある。

◇ 冷凍「冷凍 日清具多 海老雲呑麺」

しなやかでコシのある中細ストレート麺。電子レンジで簡単に調理出来る。

<海老雲呑麺> 鶏とホタテのうまみを利かせたとろみのある上質スープ。具材は、エビとクワイの食感が楽しめる特製エビワンタン、キクラゲ、チンゲンサイ

 ◇  森永製菓、大人のための上質な味「プレミアムホットケーキミックス

「森永プレミアムホットケーキミックス」は、上質な口どけ、しっとりほどけるような食感は、本物のおいしさを知る大人に向けた品質。ゆったりとリラックスした朝食を優雅に楽しむ、食シーンを提案。

◇ 「ダイドーブレンド デミタス」シリーズ

ダイドーブレンド 微糖 世界一のバリスタ監修」をリニューアルし、缶コーヒー市場でのシェア拡大を狙う。従来品と比べ1.5倍に増量(BLACKは増量)し、雑味がなく、しっかりとした上質な味わい、深みある色合いで上質感を訴求するデザインへと進化させた

◇ ブルボン、今秋季菓子商品施策 高付加価値商品を強化

トリュフ製造技術をベースに、こだわりの素材を使用した生チョコをセンターのプレミアム商品に仕上げた「白トリュフチョコレート」「黒トリュフチョコレート」。ビスケットカテゴリーでは、ミルフィーユをモチーフにした新商品「ミルファス」を投入し、高価格帯ビスケットアイテムを充実させる。

 

上質の先駆者はコンビニ

セブンイレブンが2007年5月に売りだした「セブンプレミアム ブランド」がコンビニ『上質』の発端。大ヒットした「金の食パン」は2013年に発売、その後もいろいろな商品が新発売や改良を重ね、現在も進化し続けている

http://7premium.jp/

 さらにコンビニの『上質』戦略は、「スイーツ」「レギュラーコーヒー」「ドーナツ」など新しい分野でも各社がしのぎを削っている。 コンビニは、上質=高額でないところがスゴイ、基本基準はワンコイン(百円)ではないだろうか。

 

本日のまとめ

メーカー各社が秋冬向新商品コンセプトを『上質』にしたのは、「価格よりも価値」が求められていると判断した結果と思われる。秋冬にどれだけの新商品が発売されるのか知らないけれど、消費者の厳しい選択眼をくぐり抜けてロングセラー商品になるのは何%ぐらいなんだろう?

コンビニの低価格上質戦略は、消費者としては歓迎する。しかし一方で、上質を維持し続け、さらに発展させるためには、相応の調査費や研究費もかかるであろう。モノづくりの視点からは、質の良い原材料を使用したり手間暇のかかったものは、それなりの価格で提供すべきでは…と思う。