日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

好調要因にからくりが…!?(2015/8/26)

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photo by drburtoni

小売業界 7月売上発表

先週末に小売業界から7月の売上実績概況が発表された。4業界いずれも好成績が継続している。

◆スーパーマーケット協会(オール日本スーパーマーケット協会、日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会) 

前年同期比4.0%増、食品同4.5%増、非食品同0.7%増、その他同0.3%増

◆日本チェーンストア協会

前年同期比2.5%増、食品同3.1%増、衣料品同0.6%増、住関品同3.0%増、サービス同0.9%増、その他同2.1%減

◆コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会)

前年同月度5.1%増、店舗数3.9%増、来店客数4.2%増、平均客単価0.9%増

◆日本百貨店協会

前年同月比3.4%増、4か月連続のプラス。主要5品目では、身のまわり品、雑貨が4か月連続、衣料品が2か月ぶりのプラスとなったが、食料品は2か月連続、家庭用品は4か月ぶりのマイナスとなった。

 

業績好調要因は…

各業界ともに好調要因として、「高気温による季節商品の動きが良かった」「農産品の相場高」「賃上げ効果」を挙げているが、本当は別の理由がありそうな気が…例えば、百貨店の好調を支えているのは、中国の爆買いでは?

 

モノの価格が軒並み上昇

政府のインフレ政策による物価上昇、円安による燃料費高騰による輸入品値上げ…背景には値上げの影響が大きいのではないか。

客数 × 客単価 = 売上の構図からして、売上が拡大する要因は「客数(買上点数)」もしくは、「客単価(買い上げ価格)」のいずれかでしかない。

 

◆2015年7月の消費者物価指数(CPI)東京都部の速報値の3つのポイントが

 (1) 総合指数は2010年(平成22年)を100として102.0、前年同月比は0.2%の上昇

 (2) 生鮮食品を除く総合指数は101.9、前年同月比は0.1%の下落
 (3) 食料(酒類除)総合指数は100.0、前年同月比は0.3%の上昇

 統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 東京都区部速報(最新の月次結果の概要)

 

 

◆しがぎん経済文化センター「物価と消費に関するアンケート」結果

食料品や光熱・水道費の値上がりを実感している人が7割前後に上った。

暮らし向き指数(DI)はマイナス12.6で、物価DIは「上がった」との回答が多く、引き続き高水準で推移している。値上がりを実感するのは、「野菜・果物」「乳製品」「光熱・水道費」が大きかった。 

消費行動についての設問では60.6%が「節約するものとお金をかけるものを分ける」を選択し、節約志向が続いている実態を示した。

食品や光熱水道費、7割値上がり実感 しがぎん経済文化センター : 京都新聞

 

 

本日のまとめ

5年後東京五輪の年(2020年)の日本の総人口は1億2千410万人、、ピークの2010年比で3.5%減少し、その先もずっと減り続ける。さらに深刻なのが人口の中身、働ける世代がどんどん減少する一方で、働くことが出来ないばかりか、介護が必要になる可能性が高いお年寄りがどんどんな増える時代が目の前に来ているのである。
 
常々、流通業は生活者(消費者)に寄り添う商売であるべきと考えている。スーパーマーケットの使命は、物価上昇時に生活防衛を合言葉にした政策(ex::生活必需品の価格凍結)の具現化、そしてコンビニはシニア層や単身世帯のライフラインとしての使命を担う。そして百貨店には、免税フロア拡張よりも、生活者に夢や希望を提案提供してもらいたい。流通業には、目先の売上獲得に奔走し過ぎず、「人にやさしい企業」を目標にしてもらわんことを、一生活者として切に願う。
 
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