日々ほぼまいにち気ままな雑感

半世紀近く流通業界傍流の立場で、世の中を斜め45度から観察  スーパーマーケットチェーンの勃興から繁栄・挫折、百貨店の栄光と衰退の繰り返し、商店街の栄華盛衰などを間近で経験 ・半世紀以上いち生活者の立場で、暮らしを営み続けている  高度経済成長期下での贅沢謳歌から、マイナス成長下での質素倹約生活まで

「あなた、今何か欲しいものありますか?」 プレミアム付商品券(2015/7/28)

地方創生の切り札って?

 今年の春先から全国各自治体で「プレミアム付商品券」の発行が相次ぎ、既に97%の自治体が発行している。

自治体97%がプレミアム商品券 地方創生交付金の配分決定 :日本経済新聞

 

◇ プレミアム付商品券って?

基本1万円の商品券に2千円、3千円のプレミアム(割増)が付いた金券。国が決めた、総額4,200億円の地方創生の新たな交付金を財源に、全国1793自治体が消費喚起策として「プレミアム付商品券」を発行している。

過去にも1999年の「地域振興券」や2008年の「定額給付金」などの消費喚起策が実施されたが、ともに期待されたほどの効果は見られなかったようである。

※経済企画庁は「'99年の地域振興券」効果は、名目GDP約2千億円、GDP全体の0.04%程度、個人消費の0.07%程度であったと報告している。

 

◇ 自治体ごとに異なるプレミアム付商品券

 京都市は、事前にネットかハガキで申し込み、抽選で当選した人だけが引換券を手にすることが出来る方式。

結果は倍率158.5% (※子育て世帯は無条件で引換)

ちなみにプレミアム額は2千円

京都市:京都市プレミアム商品・サービス券の購入引換券の発送について

京都市プレミアム商品・サービス券

 しかし一方で、岐阜県関市(プレミアム額2600円)の予約数が1/4や栃木県足利市(プレミアム額2千円)は予定の半分以下をはじめ売れ行きが良くない自治体もあるようだ。

 

◇ プレミアム付商品券の惜しい

1. 思いのほか使用期限が短い

 たいていの自治体では使用期限が発売から3ヶ月間程度。1冊ならともかく2冊3冊購入すると期限が気にかかってしまう。

つまり予め欲しいものがあれば良いかもしれないが、とりあえず買っておこう…は無駄遣いになってしまうので要注意

2. 千円単位でお釣りがでない

 千円というのがなかなかのハードル、それだけで1回の消費場所が限定されてしまう。例えば八百屋さんで大根1本には使えない(正しく言うと大根1本を千円で購入)する羽目になり、現実的にはあり得ない。また一人で喫茶店に行っても食事をしない限り千円の出費はしないのでは…

 

◇ ここまでやるか?

某商店街の「◇◇繁栄会加盟店で使おう」キャンペーン

加盟店でプレミアム付商品券で買い物した人を対象に「湯布院の温泉ペア宿泊券」または「プレミアム付商品券1万2千円」をプレゼントする企画。

プレミアム付商品券を持っている人限定って企画ってどうなの? 私のように抽選漏れでプレミアム付商品券を持っていないものにとっては、不買運動を起こしたくなる(笑)企画です。

 

 

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 ◇ 本日の結論

今回のプレミアム付商品券発行で、果たして地方創生なるか注目したいが、私は過去同様に大きな経済効果にはつながらない気がする。

何故?という問いに、「あなた、今何か欲しいものありますか?」という問いで答える。